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奨学金の返済を繰り上げるかの葛藤

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私は、世の中には綺麗な借金と汚い借金があると思います。(※極端に考えた場合)綺麗な借金は、新しい事業や自己投資のための借金で、汚い借金は、借金を返すための借金、生活を回していくための定常的な借金です。

もちろん生きていくために借金をすることは良いのですが、何も知らない無垢な高校生に奨学金という名前の借金の距離感が近すぎるなと借りた当初から思っていました。

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「奨学金は借金」

「奨学金は借金」

この言葉、高校生にもしっかりと耳に入れてあげるべきだと思う。ここで断っておきたいのは、私も大学~大学院と奨学金を借りていた身分ですので、奨学金を否定するつもりはありません。奨学金が無ければ大学に行くのはかなり厳しかったと思います。

そんなわけで私は奨学金は借金だが、綺麗な借金だと思います。でも、借りているお金だということを認識しているかということは認識してあげさせてほしいなと思います。

さて、話がズレましたが、今回の記事は「借金は早めに返そう」という世の中の常識がある中で、今回は奨学金の返済を繰り上げるかという問題についてです。

※日本学生支援機構の奨学金は「返済」ではなく「返還」が正しいです。が、金利も取られる立派な借金なのでここでは返済としています。

奨学金の返済を繰り上げるか問題

社会人になってからもうずいぶん経ちましたが、ずーっと奨学金の返済を繰り上げるか問題が頭の中にあり、繰り上げはしないという意思が2年に1回ほど揺らぐ時があります。今年もその時が来ましたので、よく考えるべく文章に残すことにしました。

奨学金を繰り上げることのメリット

  1. 借金が無くなる=金利を払わなくてよい
  2. 口座の変更が楽ちんに(リレー口座からの解放)
  3. 機関保証を利用しており、返済期間が短縮される場合、保証料の返還がある

一番のメリットは、借金がなくなること。2番目は保証料の返還があることでしょうか。

奨学金を繰り上げることのデメリット

  1. 生活資金を含む貯金の減少
  2. 金利0.01%という超低金利のメリットがなくなる (返済によって投資資金の減少)

貯金と投資額の減少は痛いです。特に投資額は、若いころに積み上げたものが歳を取ってから効いてきますので、若いころ~ミドル層では減らさないようにした方が賢明だと思います。

繰り上げ返済を考える理由

そういってメリットとデメリットの中、私が考えている理由は、

  • 返済期間が短縮されることによる保証料の返還額-金利
  • 投資で発生する配当金+取引によって生じる損益金

これらの差です。

0.01%で借りられるお金なんてこの世になかなか無いです。今、投資で得られる配当金の利率は約2%ぐらいで運用できていますので、1.99%のプラスです。これにどのぐらいの保証料が返還されるかで話が変わってきます。

返済の実例

機関保証を使われていた方の数少ない実例を引用させていただき、考えてみたいと思います。

例1

こちらでは総額480万円で返済期間20年を5年9ヶ月に短縮し、保証料が27万中17万が返還されたとのこと。

奨学金返済実例(機関保証料の返還アリ)

例2

こちらの記事では、総額330万円で一括返済したところ保証料が10万返還。

奨学金を繰り上げ返済したら

例3

こちらの記事では、総額144万(推測)で、一括返済したところ保証料が5.5万中3.8万返還。

奨学金繰上返還で保証金が戻ってきた話

ボチボチ帰ってくるのですね。思ったよりも額は大きそうです。何年短縮したのかの情報があると良かったのですが、皆さん奨学金についての情報をすっかり忘れてしまっているのか、報告例があまりにも少ないので、

いつ返還される?

機関保証の保証料がいつ返還されるかですが、日本学生支援機構の資料に次のように記載がありました。

全額免除の認定を受けた場合、特に優れた業績による返還免除の認定通知を受領した時から約2か月後に返還します。

半額免除の認定を受けた場合、残額を返還し終わって返還完了通知を受領した時から約2か月後に返還します

つまり、残額が0になるまで返してから返還ということですね。

また、半額免除を受けた場合も、返還が終わってから半額分の保証料が返ってくるということです。半額免除は学績優秀などで認定を受けた人が得られるインセンティブですが、私の場合、大学院時代の奨学金は半額免除を受けているので、少し返ってくるということですね。楽しみです。

どうするか

考えるべきは下記の数点。

  1. 子供の誕生が控えている
  2. 所属組織の状況が不安定
    (倒産とかそういう類ではなく組織改革などの類です)

一番は、我が子がもうすぐ生まれ、お金がたくさん必要になることです。コロナの件もありますし、通常以上に育児コストが増すのは覚悟しています。また、いろいろと買ってあげたいですしね。

そして、面倒なのが、私が所属している組織の組織改革により不安定化しているということ。あまり細かくは書きませんが、急な転勤などもありうる状況です。

私の考え

正直、0.01%の金利と保証料の返還が無かったとしても150万を投資資金として保有しておいた方が賢い気がします。150万の2%で年間3万円ずつお金がお金を生む状態ですので、株価の変動などのリスクは当然あるとしても繰り上げ返済はしないで良いかなという気持ちです。

したがって、今回も「繰り上げ返済はしない」という結論に至りました。

もし、繰り上げ返済するとするならば、共働きの我が家では、私だけで少なくとも3か月分の生活資金は保有するようにしていますが、これを拡充してさらに十分な生活資金(6~12か月分)が確保されたのち、返済を視野に入れるという風に考えています。(妻の貯金はもしもの時のセーフティーネットの位置づけ)

ここに書かれていることは私の考えで、もちろん投資していなかったり興味が無ければ、奨学金を繰り上げ返済して身軽になった方が気持ちも楽でしょう。どの意見が正しくてどれが間違っているということはないと思います。

補足情報:私の奨学金

一応、何かの情報になるかと思いますので、私の奨学金について記載します。

学部(4年間)

  • 第二種奨学金(有利子)
  • 機関保証
  • 返済回数:180回
  • 返済期間20年
  • 利率見直し方式:0.01%(2020年8月時点)
  • 総額2,400,000円
  • 残額150万ぐらい

大学院(2年間)

  • 第一種奨学金(無利子)
  • 機関保証
  • 返済回数:168回
  • 利率見直し方式:0.01%(2020年8月時点)
  • 総額2,112,000円
  • 残額:15万ぐらい
  • 備考:半額免除

こうしてみるとやっぱり利率0.01%は凄いですね。衝撃的です。

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