事の始まり
昔、購入した植物栽培用LEDをもう一度買おうと思い探していましたが、Amazonでも販売休止になり、新しいものが入手できなくなってしまいました。
これでは継続して植物栽培が出来なくなる!!という危機感で「LEDテープを買って自分で作ってしまおう」などと乱暴な思考に陥り、DIYすべく植物栽培用のLEDテープを購入しました。
LEDテープとは
LEDチップがテープ状になったもので、自分の好きな長さにカットできる特徴を持った製品です。非常に軽量で両面テープで固定できるため、車などの装飾や、部屋やお店の装飾によく使われています。
色や光の強さが変更できたり、タイマー機能があったりと意外と高機能で最近いろんなところに使われています。電源のDC12Vと使いやすいのでも合わさって種々の製品が出ています。
今回はその中の赤と青のLEDが特徴の「植物栽培用LEDテープ」を入手して使うことにしました。
植物栽培用LEDテープ
この手の製品はすべて中国ですね。LEDは構造がシンプルなので、ファーウェイのように不正なチップが載せにくいという特徴もありますので安心ですね(何が?)
仕様
- 防水:IP65、樹脂コーティング
- LEDタイプ:SMD 5050
- LEDの数量:60LED / m(赤:青= 4:1)
- サイズ:10mm×5m
- 色:赤と青
- LED波長:赤:660nm。青:445nm
- 照射角:120度
- 電源アダプタ:DC 12V / 6A
通称、「5050 300LED」と呼ばれるものです。一つのチップに3個LED素子が入っており、1mあたり60個チップが載っています。
ちなみに防水のIP65ですが、
防塵6級:粉塵が中に入らない(耐塵形)
防水5級:あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
と規定されていますが、本当でしょうかね。。。しっかりとシールされているので、問題ないと思いますが、導線接続部分の防水は甘いと思うので、このIP65という表記を真に受けない方が良いかもしれません。シリコンに覆われている部分は防水防塵ですが、被覆を剥いた部分は防水防塵の欠片もありませんので、注意しましょう。
このLEDテープは、まさかのACアダプター付きです。気が利きますね。5m分(72W/12V=5A分)でもカバーできるようにDV12V/6Aなので、いろんなところに使えます。
荷姿はこのようなロールで届きます。このロールの形であれば5mが一般的な寸法です。
こんな感じで、1つのチップにLED素子が3つ載っているのが密に連なっています。そう、想像力が豊かな方だとお分かりだと思いますが、こんな様子なので発熱がすごいんです!!発熱対策をしていないとすぐにLEDチップは寿命を迎えてしまいます。
いつの世の中でも電子機器は熱には弱いものなのです。。。
植物栽培LEDライトを工作
というわけで、LEDの発熱対策をとる必要があり、単純に植物栽培ゾーンにぶら下げたりして取り付けるのではなく、金属の放熱板に貼り付けて使用することにしました。
厚さ0.3mmのアルミ板を購入してきました。加工のしやすさと熱伝導を考慮してアルミにしました。
熱伝導に優れる銅板もありましたが、変色と重いのが気になるので、この度はアルミ板でよいかと思っています。(半年以上使用していますが、問題なしです)
サイズに合わせてLEDテープをカットして並べます。この際、導線でどのようにつなぐかを考慮して、LEDテープの+と-をきちんと配置しましょう。(LEDなので、極性が逆だと点灯しません)
そして、このLEDテープの配線ですが、防水タイプを購入しているので透明な樹脂で保護されています。これを頑張って剥がして接点を露出させます。
表面のコーティング剥がしは、爪でグイッとえぐるようにして取ります。剥がすコツとしては、金属接点にはくっついていないようなので、接点を起点にグニグニっとすると剥がれやすいです。
ざっくりですが、こんな感じです。
後ほどのはんだ付けに備えて、しっかりと接点を露出させておきましょう。(これはシリコン系の樹脂だと思うのですが、はんだごての先が触れると臭いので注意です)
この上にLEDテープを置きますが、LEDの端子が接触する可能性のある部分をハーネステープでアルミ板を絶縁します。
ショートして破損するのも嫌ですし、火災も怖いので念入りに絶縁しておきましょう。AC-DC変換器を間に噛ませるので、ブレーカー等の漏電検知が正常に働くかは分かりませんので、しっかり確認しましょう。
今回のはんだは、家にあった集積基板用のものを使用しましたが、普通の太めのはんだでも構いません。
はんだ付け後はこんな感じです。(少しクロスする部分もありますが、、、今後の改造を想定して目をつぶります)
導線部分もしっかりと上からハーネステープを貼り、絶縁します。
ここで、ケチってハーネステープを使わずにビニールテープを使用すると、熱でビニールテープが収縮し、接着剤でゲロゲロになってしまいますので、ご注意を。。。多少高くてもハーネステープが良いです。
片付けや修理の際、簡単に剥がせてきれいなので自分のためになります。
しっかりと組み立てができたかを確認して、点灯させてみました。やはり、この方が密度も高くて光量も十分にあります。
しばらく点灯させてみたところ、気が付きました。めちゃくちゃ熱を持ってます。
アルミ板でこれってことは、木やプラスチックなどに貼り付けた場合だとLED素子の放熱が出来ないので、熱劣化で寿命は一瞬で来てしまうでしょうね。熱的な負荷はLEDの寿命を極端に下げますので、放熱対策は必ず実施するようにしましょう。
さらなる放熱対策
ちょっと密に設置しすぎたかもしれません。。。アルミ板も0.3mmで薄いので熱容量が足りてないのかも。
と思いましたが、単純に表面積の不足だと気が付きました。放熱には表面積を増やすのが一番です。
したがって、アルミ箔を張ってヒートシンク状に形状を整えてみました。
熱はもちろん出ますが、断然マシになったので、これでしばらく運用してみたいと思います。
2年近く毎日12時間近く点灯させていますが、まったく問題ありません。放熱対策はこれで問題ないと思われます。
LEDチップの寿命自体も思ったよりも長く実用に十分耐えるものでした。
今回使った道具
- アルミ板
→切断加工する際に支障があるので、0.3mm程度を推奨します。 - 金切りばさみ
→ステンレス(SUS)板の切断能力が0.5mm以上のものを選んだ方が刃も丈夫で利便性が高いです。 - はんだごて
→スピーディーに作業をしたい場合はワット数の多いものを選びましょう。 - はんだ
→ヤニ入りは煙が出るので室内で作業するときは注意しましょう。 - 導線
→そこまで太くなくてもOKです。 - ハーネステープ
→ビニールテープではありません。必ずこれを使いましょう。
自動車の電気配線用に開発されたPVC粘着テープで、ビニールテープのように時間が経ってもベトベト、ゲロゲロになりません。
もっと簡単に(はんだ不要)
もっと簡単に設置する方法としては、接続コネクターを利用する方法があります。これを使う場合、シリコンの被覆をめくってパチンと止めるだけです。
便利なように思いますが、これを使う欠点としては接点の接触不良になりやすい、外れやすいという点があります。ただ、簡単に配線のし直しや組み替えることができるので、これを使うのも良いですね。
最後に
自分で組み立てたものなので、どこがどうなってるのか把握できていることが大切なポイントです。不満な点は自分で直す。故障しても自分で直す。それが簡単にできるのがDYIのメリットです。
当然、電気製品なので、漏電やショートなどは気を付けないといけないですし、あまりにも雑な作業だと火災に発展する場合もありますので、注意が必要です。
工具揃えることや火傷のリスクなどを考えると購入したほうが良い場合もありますよね。火傷や火事に繋がることもありますので、個人の技量などに合わせて無理せずに購入するようにしましょう。