市場にアルコールもたくさん出回り普通に購入できるようになりましたので、この記事も役目を終えたようです。
消毒液に使っていいアルコールでコロナ対策しっかりしましょう!!この記事については、情報として残しておきます。更新の頻度は落ちると思いますが、記載すべき情報があれば適宜追記するようにします。(2020/10/20:けーきち追記)
今、手指消毒用のアルコールが品薄ですね。薬局やホームセンター、ネットには様々な名前のアルコールが売っていますが、使用できるもの出来ないものがあります。かなり危険な物質もアルコールとして売られているので、ザっと一覧にしてみました(適宜追記してきます)。
下記にて紹介している「使っていい一部のアルコール」は、日本薬局方に定められたルールに則って作られていません。製造会社もの医薬品製造の許可も持っていないので、製品を消毒用の医薬品として効果を謳うことができません(消毒を謳うと法律違反になってしまいます)。消毒にはエタノール濃度が重要、どのぐらいの濃度にするというのは、こちらの記事でも記載しています、害のないアルコールが含まれたものを適切な濃度で個人的に勝手に利用する(←ここが大事)ことが可能です。
消毒液に使っていいアルコール
詳細は個別の項目に記載し、ここでは概略を記載しますが、エタノールは全般的に使用可能です。
イソプロパノール(イソプロピルアルコール)も使用可能で、またエタノールとイソプロパノール(イソプロピルアルコール)の混合物も消毒に使用可能です。
消毒用エタノール
消毒用エタノールは、手指消毒用に使用可能です。
濃度、配合によっては酒税が掛かることがあり、価格が高い場合が多いです。製品の濃度をしっかり確認し、体積比で75~80%の濃度があるかを確認しましょう。手に優しい消毒液を自作する場合の濃度や配合量などはこちら(下記リンク)をご覧ください。
消毒用エタノール(イソプロパノール入り)
イソプロパノール入りの消毒用エタノールは手指消毒用に使用可能です。
飲用出来ないようにイソプロパノールが配合されています。イソプロパノール=イソプロピルアルコールです。基本的には飲用不可で口に入らない方が好ましいですが、比較的安全に消毒に使用できます。飲用が出来ないので酒税が掛からないので安価です。
使用する際の配合量等はエタノールと同じ濃度で構いませんので、体積比で75~80%になるようにして使いましょう。含まれているイソプロパノールもエタノールとみなして計算可能です。
手に優しい消毒液を自作する場合の濃度や配合量などはこちら(下記リンク)が参考にしてください。
無水エタノール
手指消毒用に使用可能です。もちろん使用可能です。
消毒用エタノールよりもエタノールの濃度が高いので、水で薄めて体積比で75~80%にして使用しましょう。酒税が掛かるので高価です。
手に優しい消毒液を自作する場合の濃度や配合量などはこちら(下記リンク)をご覧ください。
試薬級・一部の工業用エタノール
試薬級・一部の工業用エタノールは手指消毒用に使用可能です。
工業用アルコールとなっている場合は含まれる成分に「メタノールが入っていないか」をよく確認して注意して使ってください。
試薬や工業用なので、量が多かったりします。通常は入手できる人は限られていると思いますが、現在はAmazonでも入手可能になっています。こういった商品も購入して使用することは出来ます。ただし、「消毒用」と謳うと法律に引っかかるため、「消毒用には使えません」と記載されていますが、問題なく使えます。アルコール成分と濃度に気を付けて使うようにしましょう。
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イソプロパノール
手指消毒用に使用可能です。
手荒れしにくく消毒できるという意味では、エタノールが好ましいですが、イソプロパノール(IPA)でも代用可能とされています。ただし、手荒れしやすいこと、また、毒性はエタノールよりもやや高いという点は考慮しないといけません。人体に入っても代謝はアセトン経由なので、毒性はまだ低いと言われています。品薄な状況なので、手に入らない場合の代替として使うべきで飲用はしないでください。
ちなみにイソプロパノール=イソプロピルアルコールです。化学物質には同じ物質でも名前の付け方が異なり、違う物質のように記載されているものもあります。
食品向けアルコール(パストリーゼ77)
使用可能です。
食品用のアルコールで除菌といううたい文句はあるようです。私は初めて知ったのですが、第46次南極観測隊へ指定商品として採用されているほどの実績があるようです。醸造用アルコールから作られた消毒液ですね。
ドーバー パストリーゼ77は酒類製造の長年に渡るノウハウから生まれた酒造会社だからこそ実現できたアルコール製剤です。
製菓をはじめとした食品業界からご家庭まで除菌が必要なあらゆる場面で活躍します。ドーバー パストリーゼ77は食品に直接噴霧できます。 酒造用と同等の上質な「醸造用アルコール(100%さとうきび由来)」を使用しています。また酒造会社ならではの高純度純水を使用しておりますので、食品の味や香りを損なうことなく安心してご使用頂けます。
食品向けアルコール(菊水酒造 アルコール77など)
使用可能です。
続々と出てきていますね。(これは一応お酒なので、転売すると酒税法に引っかかり、国税局から目を付けられて収まったころにお縄を頂戴というパターンなので転売は止めましょうね。。。)
菊水酒造から発売されるアルコール度数77%の高濃度スピリッツ「アルコール77」も消毒用と記載はありませんが、アルコール度数が77vol%なので消毒に使えます。あくまで酒だけど「消毒液と同等のアルコール分」を含むことが特徴です。
医療機関を優先に供給するとのことですので、一般の人が入手することはあまりないかもしれませんが瓶だけでも欲しい。。。
長野屋さんでも下記のような記載があります。
消毒用アルコールとおなじ77%で作られた原料用アルコール+オレンジの香料 」 *消毒や殺菌を目的としておりません。
当店と蒸留所で、消毒用エタノールと同じ度数の「お酒」を税務署・消防署と確認作 業をした上で作りました。また、ここの蒸留所は、消毒液も作っており同じ成分のエ タノールをアルコール77%まで加水しました。万が一、「間違って」消毒対象に吹き かけても手はベタ付かず、微量のお茶の香りがします。酒税法の関係上「消毒液」と は言えません。
このような形で、表現するのはそのためです。
また、全国の生産者が「厚生労働省などの関係各所に相談して指導を受けながら」同 様の動きが活発化しております。
すこしでも、「間違って」このアルコール77%を吹きかけて感染が防げば幸いです。
消毒液に使っちゃいけないアルコール
絶対に使わないでほしいアルコールがあります。メタノールもしくはメチルアルコールが含まれているものは絶対に使用しないでください。医療崩壊が懸念されている中、毒性の高いアルコールを使って病院のお世話にならないでください。
皮膚に使う場合は、多少変なものが入っていても大丈夫なことが多いですが、メタノールはダメです。皮膚に付着しただけで吸収される経皮吸収もしますし、劇物指定されるほどの毒性を持っています。
燃料用アルコール
使用不可能です。絶対に使用しないでください。薬局で簡単に入手できますが毒です。
メタノールが配合されているため、人体へ毒性があります。
また、通常、メタノールの高純度品は劇物に指定されていますので、高濃度なものは身分証と譲渡証等の書類提出が必要ですが、燃料用アルコールなどメタノールの濃度が薄い場合は、何も提示せずに購入できてしまいます。簡単に購入できる割に毒劇物の劇物に指定されるほど危険な物質を含むため、非常に危険なので絶対に使用しないでください。
工業用アルコール
使用不可能です。絶対に使用しないでください。
飲用出来ないようにメタノールが配合されています。酒税が掛からないため安いですが、手指消毒用には使用してはいけません。
しかし、このタイプのアルコールは、メタノールが配合されていることがほとんどで、人体へ毒性があります。燃料用アルコールと同じぐらいの量のメタノールが入っています。
ただし、メタノールが入っていないと明記されているものや、イソプロパノールだけが入っているものの場合は使用できます。「消毒用エタノール(イソプロパノール入り)」の項参照。
変性アルコール
使用不可能です。絶対に使用しないでください。
飲用出来ないようにメタノールが配合されています。酒税が掛からないため安いですが、メタノールが入っている場合は、手指消毒用には使用してはいけません。
このタイプのアルコールは、メタノールが配合されていることがほとんどで、人体へ毒性があります。燃料用アルコールと同じぐらいの量のメタノールが入っています。
ただし、イソプロパノールとの混合物である場合は、使用できます。「消毒用エタノール(イソプロパノール入り)」の項参照。
ウォッシャー液
使用不可能です。絶対に使用しないでください。
これもアルコールと書かれていると思いますが、配合されているのはメタノールなので使用しないでください。車用品として比較的身近にあるものなので、素人が車の整備などを行う際に誤って口に入って病院送りになる人が定期的に出ているようです。
メタノールの毒性
飲んでも、吸っても、皮膚からも吸収され、どのように体に入っても毒性があります。
飲んでしまった場合の症状は、意識レベルの低下、身体能力の貧弱化、嘔吐、腹痛、脳浮腫、失明などが起こります。
特に深刻なのが目へのダメージで、メタノールの代謝物が目の網膜にダメージを与えてしまい、最悪の場合は失明します。
少量でも死に至る場合もあり非常に危険です。よく言われる危険な量は下記の通りです。(個人差があります)
- 死亡:30~100mL
- 失明:10mL
一度失明すると、不可逆で元には治りませんので、絶対に口に含んだり皮膚に付着させたりしないようにしましょう。
参考になるサイト
最後に
消毒用のアルコールを間違えて健康を害したり、将来障害に見舞われないように正しいものを選んで化学物質防護に努めましょう。同じような透明な液体でも、体からすると猛毒だったりしますので、注意が必要ですね。化学物質の恐ろしいところは、気付かないうちに健康を害することや時間が経ってから障害(肝臓障害等)が出てくることです。
特に子供は肝臓の機能も大人より弱いですし、量に対して体の大きさも小さいですから健康被害が出やすいです。注意しましょう。
毒劇物指定のない物でも内容物にメタノールが含まれる場合があります。これはカットオフ値などが関係しており、一定の濃度などの条件を満たせば毒劇物指定を回避できるのです。工業用用途での利便性を向上させるための措置だったりしますが、不安な場合は使わない。濃度の高いエタノールを使うようにしましょう。